「大辞泉」の2019年新語サイトを見つけたので気になる用語について書いてみむとす。
バイトテロ
【バイトテロ】
アルバイト店員が、バイト先で非道徳的・非常識・または非衛生的な行為をあえて行い、それらをSNSを通して世界中に発信すること。
大辞泉2019新語
アルバイト店員が自身の職場のイメージを下げることをどうしてわざわざやるのか。
合理的な理由があるはずだと考えた結果、記事を書いたことを思い出しました。
闇営業
【闇営業】
芸人がプロダクションを通さないで仕事を請け負うこと。また特に、裏社会からの誘いで仕事を請け負うこと。
大辞泉2019新語
私は根っこがまだ中二病のため、「闇」とかつくとわくわくしてしまう。
それはともかく、「闇営業」問題でいやだな、と思ったのは、「わかりやすい闇(反社会勢力など)」を契機として、表社会に伏流する「わかりにくい闇(お金とか権力を持ってる方々の思惑)」がじわじわと表面化していたことです。
人を笑わせる集団が笑えないシステムでどうする。
人を幸せな気分にさせるグループががんじがらめのシステムでどうする。
たとえ真っ黒でも「舞台裏」は秘中に守り通す芸能が私は好きです。
これについてもさらっと記事を書いたような。
沼・にわかファン
【沼】
趣味などに、引きずりこまれるほどのめり込んでいる状態のたとえ。
大辞泉2019新語
【にわかファン】
これまで関心がなかった物事に対し、流行等で急に興味を持ち、その事柄についてよく知っていないがファンになる人のこと。
大辞泉2019新語
オタク趣味はしばしば沼にたとえられる。
それにはまるともがいてももがいても抜けられないし、共有できる事柄であれば、一緒に楽しめる他人を引きずりこもうという信条にもなってくる。
沼のじめじめとした暗いイメージも「どうしようもなさ」を表していてよい。
スター・ウォーズでいえばヨーダさんがいるところ。
にわかファンも「にわか」で終わらず、ぜひ沼にはまりこんでいってほしい。
ちなみに私の沼はブログです。
ずぶずぶ。
ギガ不足
【ギガ不足】
スマートフォンなどでの通信をやりすぎて、通信容量が月の契約ぶんを超えること。
大辞泉2019新語
外出時にはスマホのデータ通信を使い、なるべく動画やゲーム、ダウンロードは最小限、自宅でWifiに切り替わったときに通信量の多い処理を行うことが常識だと思っていました。
でも、この言葉が新語として登録されるということは、私の「常識」はマイノリティになりつつあるようです。
自宅にインターネット回線(あるいはWifi回線)がないお宅が増えているのでしょう。
家でも外でも動画でもゲームでもデータ通信に頼るしかない。
そんな状況がマジョリティになりつつある。
少なくともスマホで上記を楽しむ世代はそれが多数派なのだろう。
ギガびっくりである。
察してちゃん
【察してちゃん】
要求や説明をしないのに、自分の気持ちを察してほしいと願う人。
大辞泉2019新語
個人的には、「察してちゃん」はいないと思う。
そこまで壊滅的に誰かに期待するのって、まじでテレパシーでも信じていないと無理だろうと思うので。
現代人はそこまで空想的ではないと私は思います。
「察してちゃん」はたぶんかなりクールだ。
「要求や説明をしない」のではなく、「要求や説明を過度にほのめかしている」のでは。
「自分は十分ヒントをほのめかしている」から「察して」なのである。
周りはヒントを出さない「察してちゃん」にいらいらするけれど、「察してちゃん」にとって、周りが察しないのは自分のせいではなく周りのせいなのである。ヒントは十分にある(と察してちゃんサイドは考えている)。
誰かを「察してちゃんだ」と言ってしまうのは自分自身のコミュニケーション不足を申告するのに等しい、とまでは言わないけれど、つねに「間違っているのは自分の方かもしれない」意識を持つことは重要なのだな。
ミートテック
【ミートテック】
皮下脂肪。また、自分の贅肉で温まること。肉とユニクロのヒートテックを合わせた語。
大辞泉2019新語
ほのぼのする話題である。
贅肉を大量にお持ちの方は自己ユーモアがうまい。
いっぱい食べて満たされているので、心の余裕がおありなのだろう。
当該皮下脂肪をまとうと冬はたいへん快適だが、夏は地獄なのが悩ましい。
ミートテックは諸刃の剣。
新卒ガチャ
【新卒ガチャ】
新卒で企業に入社したが、運が良ければ上司・仕事に恵まれ、運が悪ければ両者に恵まれず出世コースから遅れるか、手に職がつかないで残業だけが多かったりすること。
大辞泉2019新語
「新卒ガチャ、どうだった?」などと、大学の同期で集まったさいに話題になるのだろうか。
「ガチャ」は主にソーシャルゲームにおける賭博要素のあるアイテム・キャラクターゲット手段だが、やったことのない方には全然わからない説明だろう。
入社したところを「ガチャ」になぞらえて風刺するあたり、若者はたくましいなあと思いけり。
当たっても外れても、精いっぱいがんばってほしい。
皮肉ることができるうちは、まだ余裕がある。
リアチンとフレネミー
【リアチン】
リアルチングの略。チングとは韓国語で友達の意。ネットの友達の反対で現実の友達。
大辞泉2019新語
【フレネミー】
友達を装った敵。普段はまるで仲良しな友達のように振る舞っているのに、じつは相手を陥れてやろうとたくらんでいる。
大辞泉2019新語
「リアチン」である。
昔は「リア友(りあとも)」と呼んでいた気がするが、韓国への親近感の高まりによっていつからか、友がチン化してしまったようだ。
心根が邪悪な人は下品な言葉にとらえてしまうかも知れないが、立派な「外来語+外来語」である。
ある意味「シュタインズ・ゲート」と一緒。
そういえばシュタゲも「フレネミー」がいたな……。
いつの時代も、人間関係って難しいですよね。
涙活
【涙活】
意識的に涙を流そうとする活動。映画や読書などにより、涙を流すことで心の浄化を図る。
大辞泉2019新語
意図して流した涙は本当の涙と言えるのか?
誰かが真剣に話しているのを目を合わせて聞いているときに目にゴミが入ってしまって(こいつ、俺の話に感動しているのか?大げさだな)と勘違いされたくなくて(流れよわが涙)の気持ちでひたすら瞬きをしていたことがあります。
上記のように、意図して流さない涙も本当の涙とは言えない場合があるので、涙の本当と嘘は個々のケースで判断するべきなんだな、と思いました。
あぁ、こんなしょうもなくて非論理的なことしか書けない自分が情けなくて涙が出てくる……
あっ、もしかして、これが涙活なのか?
ううう……心が浄化されていく……