ぱっと立ち読んで本を買うことの危うさについて

本の あぶない 選び方

ジャケ買い!

 

いわゆる「ジャケ買い」とは、ジャケットイラストや写真などを見て購入することであるが、記憶の及ぶ限りでは、ジャケ買いで成功した記憶がない。

 

かっこいいトラの写真の小説をぱっと買って読んでみたらぜんぜん面白くなくて途中で辞めた記憶とか、アーティスティックなCDジャケットの洋楽を視聴もせずに買ってみたらひどい音だったとか。

 

人間の記憶は嫌なものほど残りやすいとはいうものの、私はジャケ買いに関して成功体験というものがほとんどないに等しい。

 

あぶない!

 

同じように「あ、かわいい表紙だ。最初だけ読んでみよ……よし、買っちゃお」と本を買うのはいつのころからかやめてしまった。

 

十中八九失敗するからだ。

 

立ち読みチェックの時点では(最高に面白い本だ)と感じたからこそ購入したはずなのに、読み進めるにつれ(買って読まなくても人生に影響はなかったな)と思ってしまうとなんだか損をした気分になる。

 

いけない!

 

「本は読む前が一番楽しい」

 

「書店で平積みを眺めるのが読書のピーク」

 

「背表紙を見ることを読書と呼ぼう」

 

こんな格言をいま思いつくくらい、軽薄に衝動的に、無我夢中で短絡的に、気まぐれに、悪魔に突き動かされて、軽はずみに、性急に本を買ってしまうと請求書を見てあらびっくり!と肝をつぶすしそれがつまらない本であったときは自分の選球眼を疑うことにもなり何重ものダッメージである。

 

すいせん!

 

というわけで、何かを買うときは独りよがりに見た目で判断するのではなく、自分の持つ他の基準だとか、あるいは信用できる人の推薦などがいいと私は思う。

 

というわけで最後に一冊おすすめの本を紹介して終わります。

 

『小田嶋隆のコラム道』

表紙はぜったいジャケ買いするようなものではないところがポイントです。