秋田弁の初歩の初歩であるところの「んだ」は肯定の言葉であるが、「んた」はどちらかといえば否定の言葉である。
「来月車検だが?」「んだ」
→「来月車検ですか?」「はい、そうです」
「来月車検だが?」「んた」
→「来月車検ですか?」「はい、とてもめんどくさいです」
濁点が入るか入らないかで、ニュアンスが変わってくる。
「んた」は「いやだな」「面倒だな」という気持ちを表現するのにふさわしい一語である。
幼児がだだをこねるような態度で発音するのがポイントである。
口を閉じたままできるだけ高い声で「ん」を、吐き捨てるように、できるだけおっくうに口を明けながら「た」を。
そうすればあなたは今日から「んたマスター」である。
秋田では幼児の「いやいや期」のことを「んたんた期」と呼んでもよさそうなのだが、寡聞にして耳にしたことがない。
調べるのも、んたなー。