はじめに
読書とコーヒーの親和性については前述したとおりである。
コーヒーと読書の相性は尋常でないただし上記で扱ったのは「ブラックコーヒー」である。
麦本三歩譲ったとしても、ミルクや豆乳を入れたコーヒーである。
砂糖の前提はない。
砂糖は読書にとって「敵」だからだ。
敵に塩を送るのは称賛に価するが、敵に砂糖を送るのは戦術的価値のある行動だと私は思う。
砂糖は君を眠くする
砂糖を摂取すると眠くなる。
私はこれを常識だと思っていたがそう考えない人々がいるらしいことに気がついた。
「甘いコーヒーでも飲んで午後もひとがんばりしちゃお」
もれなく昼寝である。
一般的に食事の後は眠くなる。これは認識している人が多い。
でも、甘いものを摂取したとき同じように眠くなると考えない人がいる。
どうして甘い物だけが例外なのか。
甘い物ばかり食べている人は夜眠れないのか?(いや、眠れる)
甘いものはたぶん脳に「報酬」として認識されることが多い。
誕生日にケーキを食べる風習からもそれは明らかであろう。
「ごほうびだ!うれしい!」と気分が高揚し数分は目が覚めたような気分にもなるけれど、その後は眠気のどん底に落とされる。
甘いものは眠くなる。
コーヒーに砂糖を入れるとカフェインとの相殺消去が起き眠くならないかもしれないが、砂糖が無ければずっと気分はアゲアゲ状態でいられる可能性が高い。
「なぜ今砂糖を入れるんだい?」
ウソみたいに泳ぐ目。
よりよい読書のために砂糖は除かねばならない。
缶コーヒーは栄養補給剤
そこで缶コーヒーである。
缶コーヒーが手元にある方は成分表示をみてごらんなさい。
成分表示は上から順に多いものが列挙されているものである。
コーヒーは何番目だろうか。
砂糖、牛乳、コーヒーと並んでいたらそれはコーヒー飲料ではない。
ミルク砂糖である。
牛乳、砂糖、コーヒーと並んでいたらそれはコーヒー飲料ではない。
砂糖ミルクである。
あなたはコーヒーが飲みたくて缶コーヒーを買ったのではなかったか(砂糖を摂取したかったのなら申し訳ない)。
缶コーヒーはエネルギー源として見るのがいいと私は思う。
テレビ・コマーシャルは「働く男性」ばかり描写している印象である。
糖分はすぐに使えるエネルギー源であるから、特に身体を動かす仕事にとって相性がいい。
ただし読書には向かない。
読書は身体を動かすことと対極にある(運動しながらでないと本が読めないという方はすみません)。
読書中はそれほど身体を動かさない。
したがって缶コーヒーでわざわざエネルギーを摂らなくてもよい。
前述したように、砂糖の持つ睡眠効果によって読書の楽しみがさえぎられ、よいお昼寝時間となることうけあいだ。
逆説的に、よい睡眠をとりたかったらウンと砂糖を入れた飲料をとりながらつまらない本を読めばいいのか知らん。
おわりに
本をちゃんと読もうと思ったらコーヒーはブラックで飲まなければならない。
いわんや紅茶をや。
ただし睡眠導入作用としての読書を除く。