はじめに
今は昔、大学受験の合否が電報で知らされることがメジャーだった時代があったそうな。
受験が終わり帰路につこうと思いきや、校門で待ち構えるは電報屋。
「みんなやってるから」と申込用紙に記入させ料金をふんだくる。
そうすると、合格発表の日に「サクラチル」などといった電報が届くという寸法だったらしい。
と、いうのを新潮文庫の『現代無用物事典』を読んでいて知った。
通常は合格が「サクラサク」、落第が「サクラチル」であるが、地域によって、大学によって個性を発揮した部分でもあったようです。
以下に特色ある電報文章を載せます。
大学ごとの合否電報
北海道大学
合格 | エルムの鐘がなる |
落第 | 津軽海峡波高し |
早稲田大学
合格 | 稲穂実る |
慶應大学
合格 | ペン輝く |
小樽商科大学
合格 | アカシアの花が咲いた |
落第 | 小樽の雪は未だ深し |
秋田大学
合格 | なまはげ歓迎 |
落第 | ハタハタ不漁 |
富山大学
合格 | ホタルイカ光る |
落第 | 蜃気楼見えず |
静岡大学
合格 | 富士山頂征服す |
落第 | 駿河湾波高し |
鳥取大学
合格 | 白兎無事島渡る |
落第 | 砂丘に夕日沈む |
高知大学
合格 | 鯨釣れた |
落第 | 桜散った |
鹿児島大学
合格 | 北辰輝く |
落第 | 桜島不発 |
おわりに
合格はなんとなく縁起のいい言葉・前向きな言葉を使っている印象。
高知のクジラが釣れたやつが好き。
鹿児島の落第について、不発の方が平和でいいのでは。